COLUMN
コラム

歯周病予防について

2024.05.14
Contents
  1. 歯周病とはどんな病気?
  2. 歯周病予防をするにはどうすればいいの?
  3. 歯周病予防のための食事習慣について
  4. 歯周病予防のQ&A
  5. まとめ

歯周病とはどんな病気?

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。

歯周病を招く原因は、歯の付着物(プラーク)というネバネバとした付着物の中に潜む歯周病菌です。プラークは、口のケアが不十分な場合や、糖分を過剰に摂取した時に増えていきます。

歯と歯ぐきの境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し歯肉の境目が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが痛みはほとんどの場合ありません。そのため、自分自身で歯周病と気づかず、知らぬ間に進行し歯を支える骨がなくなっていることもあります。

歯周病ってどんな病気

さらに進行すると膿がでたり歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。

一番大切なのは予防、診断そして適切な治療です。30歳以上の成人の約80%がかかっていると言われる歯周病。どんなものなのか?どうすればいいのか?ご紹介致します。

歯周病のセルフチェック

思いあたる症状をチェックしましょう!

【全体】

  • 1.口臭を指摘された・自分で気になる
  • 2.朝起きたら口の中がネバネバする歯周病 | 栗原歯科医院 [大宮駅]
  • 3.歯みがき時に血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある
  • 4.歯ぐきがむずがゆい

【歯肉の症状】

  • 5.歯ぐきが赤く腫れてきた
  • 6.歯ぐきが下がり、歯が長くなった気がする
  • 7.歯ぐきを押すと血や膿が出る

【歯の症状】

  • 8.歯と歯の間に物が詰まりやすい
  • 9.歯が浮いたような気がする
  • 10.歯並びが変わった気がする
  • 11.歯が揺れている気がする
  • 12.歯がしみる気がする

【判定】

チェックが1~3個の場合

ビジュアル検索クエリイメージ

歯周病の可能性があるため、軽度のうちに 治療を受けましょう。

チェックが4~5個以上の場合

中等度以上に歯周病が進行している可能性 があります。早期に歯周病の治療を受けま しょう。

チェックがない場合

チェックがない場合でも無症状で歯周病が進行することがあるため1年に1回は歯科検診を受けましょう。

歯周病予防をするにはどうすればいいの?

歯周病予防を徹底しないと、全身の健康状態に影響を及ぼすことがあります。

タバコや食生活などの生活習慣がどのように歯周病予防に関わっているのかをご紹介します。

たばこの習慣

喫煙は歯周病のリスクを高めます。タバコの煙には数千もの化学物質が含まれていて、そのうちニコチンや発癌性物質などの有害物質は200や300とも言われています。

喫煙者は、お口が臭い・ヤニがついて汚いだけではなく、歯周病(歯槽膿漏)にかかりやすく、ひどくなりやすいので、更に治療しても治りにくいことが解っています。

ある統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなります。

タバコに含まれるニコチンなどの歯肉の毛細血管の血液の循環を阻み、歯肉の細胞にダメージを与え、免疫力も下がってしまいます。

歯周病と煙草の関係1

このように、タバコを吸う習慣が歯周病に悪影響を与えることは、様々な研究からわかっています。これらの問題はヤニで歯が着色されたり、タバコの臭いが常に口から口臭として吐き出されるという問題だけでなく、歯の治療の効果を妨げることになるため、歯周病の予防としても、また歯周病治療を受けておられる方も、禁煙をおすすめします。

禁煙すれば、歯科治療の効果はタバコの吸わない方と同じ程度には回復することが期待できますし、今後の歯周病リスクの改善にも繋がります。

喫煙が口腔内に与える影響

タバコを吸っていると歯肉の腫れや出血が見た目上抑えられる為、自分自身で歯周病と気づきにくいものです。

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実際に治療を始めても歯肉の治りは悪く、手術を行ったとしても効果の現われ方が非喫煙者よりも低いのです。

さらに、治療後経過を追っていくと、喫煙者の歯ぐきは再び悪くなっていく傾向にあります。どうしてこういう事が起こるのでしょうか?

タバコの煙に含まれる「一酸化炭素」は組織への酸素供給を妨げ、「ニコチン」は一種の神経毒で、血管を縮ませるので、体が酸欠・栄養不足状態になります。

ニコチンは体を守る免疫の機能も狂わせる為、病気に対する抵抗力が落ちたりアレルギーが出やすくなります。更に傷を治そうと組織を作ってくれる細胞(線維芽細胞)の働きまで抑えてしまうので、手術後も治りにくくなります。

また、「ヤニ」という形で歯の表面に残っているので、歯がざらざらしてバイ菌が張り付きやすくなるのはもちろん、いつまでもお口の中や歯肉にニコチンが染み出しつづけることになるのです。

歯周病の原因1

歯周病と煙草の関係2

禁煙の効果はありますか?

禁煙することで、この危険性が下がっていくことも、研究の結果解っています。

「歯周病のかかりやすさ」は約4割程減ります。手術後の治療経過も禁煙者は非喫煙者とほとんど差が無くなります。

歯周病予防のための食事習慣について

歯周病の病状に関わる生活習慣の二つ目は「栄養」です。全身の健康のためにはビタミンなどの身体に必要な栄養素の摂取は欠かせません。もちろんそれらは歯ぐきのためにもなります。

歯周病の主な原因は歯垢(プラーク)の中にいる細菌なので、歯周病の予防と治療のためにはまずプラークを減らす事(プラークコントロール)からしなければなりません。

プラークコントロールをしているという原則で、それに加えてビタミンCやビタミンEといった抗酸化作用をもった栄養素を積極的に食事から摂取することが、歯周病予防につながります。

歯周病が進行して歯に動揺が起こったり、歯を失って噛めなくなると、噛みにくい食べ物を敬遠して柔らかいものを食べがちになるため、栄養バランスに偏りが出ることになります。

歯周病の予防、治療のために、食生活を見直して必要な栄養を食事から採れるようにしましょう。

歯を悪くしてしまう生活習慣を改善しよう

虫歯や歯周病を悪化させ生活習慣というものがあります。これらを改善することで、虫歯や歯周病のリスクを軽減することが出来ます。

  • 歯磨きをしないで寝ることが度々ある
  • 歯磨きの回数、時間が少ない
  • タバコを吸う習慣がある
  • 間食の頻度が過剰に多い
  • おやつなどを日常的にとっている歯周病予防するために適切なブラッシングと定期的な歯科検診を! – 新板橋・板橋駅の歯医者|いしかわ歯科|平日夜9時まで
  • 砂糖入りの飲み物を水やお茶代わりに飲んでいる
  • 酸味が強いものが好き
  • 炭酸飲料を飲む機会が多い
  • 日中や就寝時に歯ぎしり、食い縛りの癖がある虫歯になりにくいおやつはあるの?|なんばクローバー歯科よくあるご質問
  • 歯医者が苦手で歯が悪くなってから診察に行く
  • いつも口呼吸をしている

いかがでしたか? 当てはまるものがあれば、なるべく改善するようにしましょう。

歯周病予防のQ&A

Q,歯周病と言われましたが、治療をしなかったらどうなるの?

A,歯周病は自然治癒することがありません。またサイレントディジーズ(Silent Disease:静かなる病気)とも表現されるようにひどくなるまで病気と自覚されることの少ない病気です。そのまま放置しておくとその歯の寿命が短くなるばかりか、健康な歯にも悪影響をおよぼし、お口の中全体が悪くなっていきます。また最近では、全身疾患との関係も明らかになってきており、まさに「歯周病は万病のもと」とも言えるでしょう。

Q,歯周疾患を治すことはできますか?

A,はい。歯周疾患の原因は歯周病原菌なので、これをコントロールすることが主な治療になります。軽度の歯周疾患は、簡単な歯周基本治療で完治できます。中等度以上の歯周病になると治療が複雑になりますが、歯周基本治療に加え外科的処置、再生療法などで治癒させるとができます。ただし、重症度が増すと治すことが不可能になり、抜歯せざるを得ない場合もあります。是非、かかりつけ歯科医での早期の検査、治療をお勧め致します。

 

Q,歯はいつ頃磨けばいいの?

歯周病の原因2

A,なるべく、食後30分程度が理想的です。なぜなら食事の後は、口腔内細菌の活動性が高まるからです。またプラークは時間がたつにつれ、歯の表面に粘着性の層を蓄積(歯石)してとりにくくなります。しかし、不充分な歯磨きを一日三回毎食後にするよりは、夜寝る前の一回だけでもしっかり時間をかけて丁寧に行き届いた歯磨きをした方が効果的だと思われます。

Q,歯周病は何歳くらいから気をつければよいのでしょうか?

A,歯周病の主な原因は歯に付着するプラーク(歯垢)です。このプラークを毎日取り除かないと、細菌の量が増えて歯周病は進行します。
厚労省の実態調査(平成28年)によると30代以上の3人に2人が歯周病です。気づくことなく10年以上かけて、ゆっくりと進んでいるのが歯周病の特徴ですので、歯周病にならないようにするには少なくとも10代後半~20代からの確実なプラークコントロールが必要ということになりますね。歯ブラシなどでブラッシングしてプラークを除去する習慣を、せめて永久歯が生えた頃からしっかりとできていないと、歯周病になってしまうと考えておきましょう。

Q,予防のために歯科医院に通うメリットはどんなものがありますか?

A,痛みや違和感を感じなくても予防目的に歯科医院に通うメリットは大きいです。まず、虫歯や歯周病を初期の段階で発見しやすくなるため、治療にかかる時間とお金が節約できますし、痛みなどの負担も軽減できます。また大きな問題が見つからなかった場合でも、個人に合わせたブラッシング指導を受けたり、歯のクリーニングなどを受けることができ、歯のトラブルを未然に防げます。

Q,歯ブラシだけのブラッシングでは不十分だといわれたのですが、本当でしょうか?

歯ブラシ(01084)|フリー写真素材

À,歯周病は歯と歯の間から進行することが多いのですが、歯と歯の間は歯ブラシだけでは磨ききれません。そのため、歯ブラシに加えて、デンタルフロスの使用が必要です。歯周病が進行している場合やインプラントが入っている場合には、歯と歯の間が広くなっていることが多く、よりデンタルフロスの使用が必須となります。使用方法を間違えると歯ぐきを傷つけたり、退縮させたりするので、歯科医院で自分に合ったブラッシング方法の指導を受ける事をお勧めします。

Q,ブラッシングは食後すぐにしなければいけないのでしょうか。忙しいので毎食後すぐにブラッシングできないのですが。

A,食事の後はお口の中の細菌の活動性が高まるので毎食後すぐに歯磨きするのが理想的ですが、忙しいと毎食後すぐに歯磨きするのは難しいですね。少し時間があいても構わないので、できるだけ食後は細菌数を減らすために歯磨きしていただくと良いと思います。ただ、あまりにも雑な

歯磨きを1日3回行っていても歯周病治療・予防の効果が低いので、寝る前の1回だけでも時間をかけて丁寧に歯磨きをし、完全にプラークを取り除く事がとても大切です。

Q,爪楊枝で食後に歯の間の汚れを取るのは良いのでしょうか?

A,爪楊枝で取ることができるのは、歯と歯の間に挟まった食べカス(食渣 しょくさ)であり、歯にくっついている細菌の塊(プラーク 細菌バイオフィルム)は取り除くことはできません。歯ぐきの炎症を引き起こす原因はプラークであり、歯と歯の間のプラークはデンタルフロスを使わないと、十分に取り除くことができません。
食事中や食後すぐに歯磨きができないときには、爪楊枝で食渣を取り除くことはよいでしょう。そのうえで、のちほどデンタルフロスといった歯間部清掃用具を用いて清掃しましょう。
なお、爪楊枝は先端が尖っており歯ぐきを傷つけることも考えられますので十分に注意して使用してください。決して歯間ブラシ代わりに使わないようにしてください。

Q,歯磨剤は、何が良いのでしょうか?

A,歯ぐきの腫れ(炎症)を抑える薬効成分などが入っているものもありますが、基本的には歯磨剤の成分はどれも同じ様なものです。歯磨剤自体が歯肉炎と歯周炎に対して明らかに治療効果があるという訳ではなく、あくまで補助的な効果と考えて下さい。一番大事なのは、どの歯磨剤を使うかではなく、炎症の原因となっているプラークを取り除くように、丁寧なブラッシングで磨き残しを少なくすることです。

Q,歯周病の予防に歯みがき粉はどれくらい効果があるのでしょうか?

A,歯磨き粉に入っている薬効成分には、殺菌成分、消炎成分、歯ぐきを健康にする成分などがありますが、ブラッシングの際にその成分が歯ぐきの中に十分に浸透できるかというと、そうではありません。残念ながら現時点において、日本で市販されている歯磨き粉などで、歯周炎の予防、治療に効果があるという十分なエビデンスが存在するものはありません。少しでも薬効成分を効かせるためには、ブラシが歯周ポケット内に届くことや、十分に細菌(プラーク)を取り除けていることが必要でしょう。大切なことはプラークをしっかりと除去するようにブラッシングすることです。

Q,うがい薬は歯周病の予防に効果がありますか?

A,歯ぐきの炎症の原因であるプラークは、うがい薬だけでは除去はできません。殺菌作用があるものが多く、ブラッシングをきちんと行ったうえでうがい薬を使用すると補助的な効果が期待され、歯周病の治療・予防に役立つと考えられます。

Q,どんな歯ブラシが良いのでしょうか?

A,ヘッドの大きさが小さく、毛の長さが短いものは奥歯にも届きやすく、歯周病治療・予防に適していると考えられますが、ひとりひとりのお口の状態は違いますので、万人に適した歯ブラシというのはありません。個々の患者さんの歯の並びや大きさ、歯肉の状態などにより、どのような大きさ、硬さの歯ブラシが適しているかや、どのような歯磨き法が適しているかは変わってきます。歯科医師、歯科衛生士に指導を受けて下さい。

Q,歯周病の予防に何か良いサプリメントみたいなものはありますか?

A,現在お口の中の衛生状態を高める為のブラッシング補助製品は、歯磨剤をはじめ洗口剤、栄養補助食品など実に様々です。しかし結局のところお口の中のプラークを除去できていなければ、それらの効能を十分に得ることはできません。一番大事なのはしっかり行き届いた歯磨きです。

Q,一度歯周病と検診で指摘されました。むし歯は無いと言われています。痛みもないし、食事するのに不都合もないので、歯医者さんに行く必要はないでしょうか?

A,歯周病は、初期や進行中に、痛みなどの自覚症状をほとんど伴いません。そのまま歯医者さんに行かずにいると、気付いた時にはさらに進行して重症化してしまい、治療に時間がかかったり、抜歯しなければならない可能性が高くなります。虫歯や痛みがなく、食事するのに不都合がなくても、可能な限り早めに治療されることをお奨めします。また、定期的に歯科医院に通院し、歯周病の検査を受け、常にご自身の歯周病の程度を把握して、早期の治療を継続することが、長く自分の歯で食事を楽しむことができるための最良の方法と言えます。

まとめ

虫歯や歯周病にかかりやすい人とかかりにくい人がいます。それには歯や唾液の質などの遺伝的な体質に左右される部分もありますが、殆どの場合は食生活などの生活習慣に大きな原因があります。

虫歯や歯周病は生活習慣を改善することによってかなりリスクを下げることが可能ですので、歯に悪い生活習慣は出来る限り改善していくようにしましょう。

そのため、定期的に歯医者で検診・クリーニングを受け、早期発見即時処置を心掛け歯周病の進行を防ぎましょう。

 

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