
正しい歯磨きとは?歯科医師が解説する効果的なブラッシング方法
この記事のポイント
- 毛先を歯の面に当て、広がらない程度の軽い力で小刻みに動かしましょう。
- 歯と歯ぐきの境目、歯の裏側、奥歯の奥まで順番に確認しましょう。
- フッ素入り歯磨き粉は年齢に合う濃度と量を選び、すすぎすぎを避けましょう。
- 歯間の清掃と歯科医院でのケアを組み合わせ、出血が続くときは相談しましょう。
毎日歯を磨いていても、歯ぐきの近くや奥歯に汚れが残っていることがあります。力を入れたり時間を延ばしたりする前に、毛先が必要な場所に届いているかを見直してみましょう。この記事では、大人のセルフケアを中心に、歯ブラシの使い方と歯磨き粉の選び方、歯科医院で確認したいことを紹介します。
マンガで解説
磨き残しを減らす歯磨きのポイントを、さくら先生とケンタが紹介します。音声ガイド付き(約2分47秒)。
歯垢を落とす習慣

力を入れすぎずに

毛先を当てて小刻みに

磨き残しを確認

歯と歯の間もケア

道具はお口に合わせて

歯磨き粉は年齢に合わせて

セルフケアと歯科での確認

テキスト版を表示
音声:VOICEVOX(四国めたん・雀松朱司・九州そら)。登場人物は説明用の架空の人物です。
歯磨きの目的は、歯垢を取り除くこと
歯垢(プラーク)は、歯の表面に付く細菌のかたまりです。むし歯や歯周病の主な原因になるため、毎日の歯磨きで取り除くことが大切です。食べかすが見えなくなったかだけで、十分に磨けたとは判断できません。
「いつも磨いている」と「磨き残しが少ない」は同じではありません。歯並びや手の動かし方によって、毛先が当たりにくい場所は変わります。自分が苦手な場所を知り、その部分にも無理なく届く磨き方を身につけましょう。
磨き残しを減らすコツ
まず鏡を見ながら、歯ブラシを当てたい場所を確認します。表側だけで終わらず、裏側とかみ合わせの面まで、順番を決めて進めると確認しやすくなります。歯磨きの長さだけを目標にせず、磨く場所を見落としていないかにも目を向けてください。
毛先を当てて、軽い力で小刻みに動かす
毛先を歯の面や歯と歯ぐきの境目に当て、歯ブラシを細かく動かします。大きく横へ動かすより、少しずつ場所を移しながら磨くことを意識しましょう。
力の目安は、毛先が広がらない程度です。強く押し付け続けると歯ぐきなどを傷めるおそれがあります。痛みが出るほどこすらず、力を抜いて当て方を調整してください。すべての場所を同じ角度で磨こうとせず、歯の形に合わせて毛先を向けます。
奥歯や裏側は、口の開き方とブラシの向きを変える
奥歯の頬側へ歯ブラシが入りにくいときは、口を少し閉じ気味にすると磨きやすくなります。奥歯の舌側は、歯の並びに沿わせるようにブラシを入れ、毛先が当たっているか確認しましょう。
いちばん奥の歯の後ろ側は、ブラシの先端を使って届かせます。届かない場所を力で押し切る必要はありません。歯が重なっている部分や被せ物の周囲など、磨きにくさがある場所は歯科医院で当て方を見てもらいましょう。
磨くタイミングは、就寝前を含めて習慣にする
食後の歯磨きを毎日の生活に取り入れ、特に就寝前は丁寧に清掃しましょう。寝ている間は口の中で細菌が増えやすいためです。外出先で十分に磨けない日も、夜のケアを慌ただしく済ませないようにしてください。
起床直後だけを「最も大切な時間」と決めつけるより、食後や就寝前のケアを含め、続けやすい習慣を考えることが大切です。歯磨きのタイミングだけでむし歯を防げるわけではありません。磨き残しへの対策や、フッ素入り歯磨き粉の使い方も一緒に見直しましょう。
フッ素入り歯磨き粉は、年齢に合う濃度と量で
むし歯予防には、フッ素(フッ化物)を配合した歯磨き粉が役立ちます。製品表示でフッ素の濃度、対象年齢、使い方を確かめて選びましょう。歯磨き粉は誰でも同じ少量でよいわけではなく、年齢に応じた量が必要です。
大人にも一律に「米粒程度で十分」とは考えないでください。年齢に合う濃度や量が分からない場合は、使っている製品を歯科医院に持参して確認すると具体的に相談できます。お子さんには大人の使い方をそのまま当てはめず、年齢に合わせて選びます。
磨いた後に何度も大量の水ですすぐと、口の中に残したいフッ素まで流れてしまいます。歯磨き粉を吐き出した後のすすぎは控えめにし、製品の使い方や歯科医師・歯科衛生士の指導に従ってください。歯磨き粉を使うことに加え、毛先で歯垢を落とすことも必要です。
歯と歯の間には、清掃用具を組み合わせる
歯ブラシの毛先だけでは、歯と歯の間を十分に清掃できないことがあります。フロスや歯間ブラシで、届きにくい部分のケアを補いましょう。どちらかを全員が同じように使うのではなく、歯のすき間やお口の状態に合うものを選びます。
歯間ブラシのサイズやフロスの動かし方に迷ったら、歯科医院で確認してください。歯ブラシと補助用具にはそれぞれ役割があり、補助用具を使ったから歯磨きを省いてよいわけではありません。
歯ブラシは、お口に合う大きさと毛の硬さを選ぶ
奥まで動かしやすく、磨きたい場所に届く大きさを選びましょう。ヘッドが大きくて扱いにくい場合には、小さめのものが選択肢になります。毛の硬さも、磨き心地の好みだけでなく歯ぐきの状態に合わせて考えます。
歯ぐきが痛む、出血しやすいなどの場合は、やわらかめのブラシが適することがあります。ただし、ブラシを替えるだけで原因が解決するとは限りません。毛先が開いたブラシもそのまま使い続けず、状態を見て交換しましょう。短期間で毛先が開く場合には、力が入りすぎていないか確認してください。
出血や磨きにくさが続くときは、歯科医院で確認を
歯磨きで出血が続く場合、歯ぐきの炎症などが関係していることがあります。強く磨いて血を出そうとしたり、歯磨き粉だけで治そうとしたりせず、原因を確認しましょう。詳しくは、歯ぐきからの出血についてもご覧ください。
歯垢が硬い歯石になると、家庭での歯磨きだけでは落とせません。自宅でのケアに加え、歯科医院で歯や歯ぐきの状態と磨き残しを確認し、必要な清掃を受けることが大切です。
歯科医院では、歯並びや磨き方の癖に合わせて、歯ブラシや補助用具の使い方を相談できます。「どの場所が苦手か」「どの道具を使っているか」を伝えると、日常のケアを見直しやすくなります。定期的なメインテナンスの考え方も参考にしてください。
毎日の歯磨きで見直したいこと
次の歯磨きでは、毛先の当たり方、力加減、磨く順番を意識してみてください。就寝前のケア、年齢に合うフッ素入り歯磨き粉、歯間の清掃も組み合わせます。自分だけでは磨き残しを判断しにくい場所は、歯科医院で確認しながら、続けられる方法を探しましょう。
よくある質問
長く磨けば、磨き残しはなくなりますか?
時間だけでは判断できません。毛先が当たりにくい場所は、長く磨いても汚れが残ることがあります。歯の表側、裏側、かみ合わせの面を順に確認し、苦手な場所の磨き方を歯科医院で相談しましょう。
歯磨き粉は、大人も米粒程度でよいですか?
誰にでも同じ少量が適するわけではありません。フッ素入り歯磨き粉は年齢に合う濃度と量で使います。製品表示を確認し、分からない場合は使っている歯磨き粉を歯科医院に持参して相談してください。
歯ぐきから血が出るときは、強く磨いたほうがよいですか?
強くこすって血を出す必要はありません。歯ぐきの炎症などが関係していることがあるため、出血が続く場合は歯科医院で原因と適した磨き方を確認しましょう。
フロスを使えば、歯ブラシは省けますか?
省かずに併用しましょう。歯ブラシは歯の表面などを磨き、フロスや歯間ブラシは毛先が届きにくい歯間の清掃を補います。道具はお口の状態に合うものを選びます。
歯石も自宅の歯磨きで取れますか?
硬くなった歯石は、歯磨きだけでは落とせません。歯科医院で確認し、必要な清掃を受けてください。日々の歯磨きは、歯石になる前の歯垢を取り除くために続けましょう。
参考資料
お口のお悩みは石野歯科医院へ
お口に関するお悩みなどございましたら、天王寺区の歯医者・石野歯科医院へお気軽にご相談ください。四天王寺前夕陽ヶ丘駅から徒歩5分、谷町九丁目駅から徒歩7分、上本町・天王寺からも通いやすい立地です。
アクセス・診療時間を見るこの記事の執筆・監修

石野 貴嗣
石野歯科医院 院長・歯科医師
石野歯科医院の院長。大阪歯科大学卒業。インプラント、マウスピース矯正(インビザライン)、審美歯科を専門とし、患者さま一人ひとりに寄り添った丁寧な治療を心がけています。
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