
インビザライン矯正とは?治療の流れ・装着時間・注意点を解説
この記事のポイント
- インビザラインは、透明なマウスピースを段階的に交換して歯を動かす矯正治療です。
- 治療は相談・検査・治療計画の説明・装置の使用・経過確認・保定という流れで進みます。
- メーカーが案内する装着時間は1日20〜22時間で、交換時期は歯科医師の指示に従います。
- 取り外せる装置でも、毎日の清掃と定期的な通院が必要です。
- 歯並びが整った後も、後戻りを抑えるための保定と経過確認を続けます。
インビザライン矯正とは?
インビザラインは、アライン・テクノロジー社が提供するマウスピース型の矯正装置・システムです。
一人ひとりの治療計画に合わせて作製した透明なマウスピースを順番に使い、少しずつ歯を動かします。このマウスピースは「アライナー」とも呼ばれます。[1]
「マウスピース矯正」は治療方法の総称であり、インビザラインはその選択肢の一つです。すべてのマウスピース矯正がインビザラインというわけではありません。
透明で目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外せることが特徴です。一方、装着時間を守り、歯科医院で経過を確認しながら治療を進める必要があります。[2・3]
インビザラインGoとは何が違うの?
インビザラインGoは、動かす歯の範囲を限定したシステムです。大臼歯を動かさないことを前提に、主に前歯側の歯並びの調整に使用されます。[8]
ただし、「前歯が気になるからGoで十分」と、見た目だけで決まるわけではありません。前歯を並べるために奥歯の移動が必要な場合もあります。
名前や価格だけで選ぶのではなく、実際に動かす歯の範囲と、治療で目指す噛み合わせを確認しましょう。
インビザライン矯正は、どのような流れで進みますか?
1.相談で、気になることと希望を伝えます
最初に、歯並びのどこが気になるのか、どのような変化を希望しているのかをお聞きします。
「前歯の重なりを整えたい」「口元の見え方が気になる」といった希望に加えて、通院できる頻度や、装着時間を確保できるかなどもご相談ください。
相談の時点で治療の方向性をお話しできる場合はありますが、最終的な治療計画には検査が必要です。[4]
2.歯並び・噛み合わせ・歯ぐきの状態を検査します
お口の診察に加え、必要なレントゲン、口腔内写真、歯型やスキャンデータなどを確認します。
歯が並んでいる様子だけでなく、歯の根、歯を支える骨、虫歯や歯周病の有無なども調べます。治療が必要な虫歯や歯ぐきの炎症がある場合には、先にお口の状態を整えることがあります。[4・7]
当院では、口腔内スキャナーなどを用いた検査を行っています。スキャンでは歯の形や噛み合わせを記録できますが、歯の根や骨の検査をすべて代わりに行えるわけではありません。
画面上で歯並びを見られることと、矯正治療の診断が完了することは別です。
3.治療計画・費用・注意点の説明を受けます
検査結果をもとに、どの歯をどの方向へ動かすか、どこまで改善を目指すかを計画します。
シミュレーションは、その計画を共有するために役立ちます。ただし、画面に表示されたとおりの結果を保証するものではありません。 実際の歯の動きを確認しながら進めます。[4]
説明では、治療期間の見通し、抜歯や補助処置の必要性、追加調整の可能性、保定、費用やリスクも確認しましょう。
4.マウスピースを作製し、装着を始めます
治療計画を確認した後、専用のマウスピースを作製します。
装着開始時には、取り付け・取り外しの方法、使用時間、交換日、お手入れ方法などの説明を受けます。[2]
必要に応じて、歯の表面に「アタッチメント」と呼ばれる小さな突起を付けたり、ゴムなどを併用したりします。歯を並べる場所を確保するため、歯と歯の間を少量削る処置が必要になる場合もあります。
こうした補助処置の必要性は、治療計画によって異なります。[3]
5.通院で歯の動きを確認し、必要に応じて調整します
装置が歯に合っているか、計画に沿って動いているか、噛み合わせや歯ぐきに問題がないかを診察します。
当院の通院間隔は通常4〜6週間に1回程度が目安ですが、治療の段階やお口の状態によって変わります。
計画と実際の歯の動きに違いがある場合などは、追加のスキャンを行い、新しいマウスピースを作製して調整することがあります。[2・4]
6.歯を動かした後は、保定へ進みます
歯並びと噛み合わせを確認し、歯を動かす段階が終了した後は「保定」を行います。
保定とは、歯が元の位置へ戻ろうとする後戻りを抑えるための管理です。リテーナーという保定装置を使用します。
歯並びが整った後も、管理は続きます。 保定装置の使用時間や期間は担当医の指示に従い、自己判断で中止しないようにしましょう。[3・7]
1日何時間つける?何日ごとに交換する?
インビザラインのメーカーは、1日20〜22時間の装着と、歯科医師の指示に応じた1〜2週間ごとの交換を案内しています。[2・5]
ただし、交換時期は歯の動きや治療計画によって異なります。
「早く終わらせたいから交換を前倒しする」「装着できなかった日があっても、予定日だから次へ進む」といった自己判断は避けてください。
夜だけつける治療ではありません。 食事や歯磨きで外した後に、装着し直す習慣を続けることが大切です。
食事・飲み物・お手入れで気を付けること
食事のときは取り外します
通常、食事や間食の際にはマウスピースを外します。食後は歯と装置を清潔にしてから装着し直します。
コーヒーやジュースなどを飲む際も、装着したままでよいと自己判断せず、指導された取り扱いに従ってください。[5]
外出時にも歯ブラシや装置の保管ケースを持ち歩くと、食後の管理を続けやすくなります。外す時間だけでなく、「いつ装着し直すか」まで生活の中で決めておくとよいでしょう。
装置も毎日清掃します
歯磨きだけでなく、マウスピース自体の清掃も必要です。
水洗いや、装置に適した洗浄剤などを使い、医院から案内された方法で清潔に保ちます。洗浄剤は指定された濃度・時間を守り、使用後は十分にすすいでください。
熱湯での洗浄は避けてください。 洗浄剤を使う場合も、製品が指定する水温を守りましょう。[6]
痛みや話しにくさはありますか?
新しいマウスピースを使い始めた後などに、歯が押される感覚や痛みが出ることがあります。また、装着に慣れるまでは話しにくく感じることもあります。
透明な装置であっても、痛みや違和感がまったくない治療ではありません。
強い痛みが続く場合や、装置が粘膜を傷つける場合は、我慢せず治療を受けている歯科医院へ相談してください。[5]
マウスピースをなくした・割れた・入らないときは?
装置をなくしたり、破損したりした場合は、早めに治療を受けている歯科医院へ連絡してください。
その際に、使用していた装置の番号、何日間装着していたか、手元に前後の装置があるかを伝えると、状況を確認しやすくなります。
前の装置を使うのか、次の装置へ進むのか、再作製するのかは、治療の段階によって異なります。合わない装置を無理に入れたり、自分で削ったりせず、指示を受けてください。[5]
治療期間は、マウスピースの枚数だけでは決まりません
歯を動かす範囲や量、追加調整の必要性などによって、治療にかかる期間は変わります。
当院で公開している前歯のねじれ・重なりとすき間に対する症例では、最初の14枚を使用した後、追加のスキャンを行って19枚を追加作製しました。治療期間は約10か月でした。
これは一つの症例です。すべての方が同じ枚数や期間で治療を終えられるという意味ではありません。
具体的な経過は、追加のマウスピースで調整を行ったインビザライン矯正の症例をご覧ください。
治療期間を確認するときは、最初の装置を使う期間だけでなく、追加調整や、その後の保定・経過確認まで含めて見通しを聞いておきましょう。
インビザライン矯正の費用について
当院で行うインビザライン矯正は自由診療です。
2026年9月時点の公開料金表に掲載している、上下顎を対象とした各プランの料金は次のとおりです。金額は税込です。
| プラン | 掲載料金 |
|---|---|
| インビザライン・エクスプレス7(全顎) | 363,000円 |
| インビザライン・ライト(全顎) | 605,000円 |
| インビザライン・モデレート(全顎) | 726,000円 |
| インビザライン・コンプリヘンシブ(全顎) | 1,100,000円 |
上記は装置・プランの料金であり、治療費の総額ではありません。
別途、矯正管理料は1回7,700円(月1回まで)、全顎の保定装置は60,500円です。検査、抜歯、規定外の追加アライナーなど、別の費用が必要になる場合もあります。
治療前には、「何が含まれるか」「追加の費用が生じるのはどのような場合か」を確認しましょう。最も安いプランで、すべての歯並びに対応できるわけではありません。
片顎のプランを含む詳細は、インビザライン矯正の料金表をご確認ください。
治療前に知っておきたいリスク
インビザラインも歯を動かす矯正治療であり、装着時の痛みだけでなく、次のようなリスクがあります。
- 歯の根が短くなる「歯根吸収」や、歯ぐきが下がる「歯肉退縮」。
- 清掃不良による虫歯や歯ぐきの炎症。
- 計画どおりに歯が動かず、追加の装置や別の治療方法が必要になること。
- 治療期間の延長や、治療後の後戻り。
リスクの程度は、歯や歯ぐきの状態、必要な歯の移動などによって異なります。治療前の検査と、治療中の経過確認を受けることが大切です。[3・4・7]
また、すべての歯並びにインビザラインが適しているわけではありません。歯を大きく動かす場合や骨格の問題が大きい場合などは、ワイヤー矯正やほかの方法を検討します。
よくあるご質問
インビザラインとマウスピース矯正は違いますか?
マウスピース矯正は、取り外せる透明な装置などを使う矯正治療の総称です。インビザラインは、その治療に使う装置・システムの一つです。[1・3]
インビザラインは1日何時間つけますか?
メーカーは1日20〜22時間の装着を案内しています。夜だけ使う治療ではありません。実際の使用時間は担当の歯科医師の指示に従ってください。[5]
マウスピースは何日ごとに交換しますか?
一般的には1〜2週間ごとの交換が案内されていますが、歯の動きや治療計画によって異なります。自己判断で交換を早めず、指定された日程を守ってください。[2]
歯並びが整ったら治療は終わりですか?
歯を動かした後は、後戻りを抑えるための保定が必要です。リテーナーという保定装置を使用し、その後も歯並びや噛み合わせを確認します。使用時間や期間は担当医の指示に従ってください。[3・7]
シミュレーションどおりに歯は動きますか?
シミュレーションは治療計画を説明するためのもので、結果を保証するものではありません。実際の歯の動きを診察で確認し、必要に応じて計画や装置を調整します。[4]
石野歯科医院のマウスピース矯正
石野歯科医院では、インビザラインとエンジェルアライナーによるマウスピース矯正を取り扱っています。
どの装置を使う場合も、気になる歯だけでなく、噛み合わせや歯ぐきの状態、治療後の管理まで含めて治療計画を考えます。
マウスピースをお渡しすることが治療の目的ではありません。歯がどのように動いているかを確認し、必要な調整を行い、治療後もお口の状態を管理することを大切にしています。
使用する装置や治療の選択肢については、石野歯科医院のマウスピース矯正をご覧ください。
まとめ|始める前に、治療の流れと日常の使い方を確認しましょう
インビザライン矯正は、透明なマウスピースを使って少しずつ歯を動かす治療です。
取り外せることは特徴ですが、毎日の装着時間と清掃、定期的な通院、治療後の保定まで続ける必要があります。
相談時には、「どのくらい歯を動かすのか」「毎日の管理を続けられるか」「追加調整や費用はどうなるか」を確認しておきましょう。
石野歯科医院では、検査結果と患者さんのご希望を踏まえ、治療の進め方や注意点をご説明します。
参考資料
[1]インビザライン・ジャパン:インビザライン・システムについて
[2]インビザライン公式:How Invisalign treatment works
[4]日本矯正歯科学会:マウスピース型矯正装置による治療に関する見解
[5]インビザライン公式:Frequently Asked Questions
[6]インビザライン公式:Cleaning Crystalsの使用方法
お口のお悩みは石野歯科医院へ
お口に関するお悩みなどございましたら、天王寺区の歯医者・石野歯科医院へお気軽にご相談ください。四天王寺前夕陽ヶ丘駅から徒歩5分、谷町九丁目駅から徒歩7分、上本町・天王寺からも通いやすい立地です。
アクセス・診療時間を見るこの記事の執筆・監修

石野 貴嗣
石野歯科医院 院長・歯科医師
石野歯科医院の院長。大阪歯科大学卒業。インプラント、マウスピース矯正(インビザライン)、審美歯科を専門とし、患者さま一人ひとりに寄り添った丁寧な治療を心がけています。
院長紹介ページを見る