石野歯科医院
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コラム

歯周病とは?

2024.02.20

歯周病とは

歯周病は、歯ぐきが腫れていても痛みを伴うことが少なく、進行すると歯が揺れたり出血や膿が出る症状が現れる、世界最大の感染症です。放置すると歯の寿命が短くなるだけでなく、全身疾患との関係も指摘されています。予防法としては、歯みがきやプラークコントロール、定期的な歯石除去が重要です。歯周病は自然治癒しないため、早めの治療が必要です。

歯周病治療|東京都八王子市旭町の歯医者|中川歯科医院

歯周病の段階

歯周病には大きく分けて3つの段階があります。

 

1.歯肉炎(初期の歯周病)

歯茎に炎症がみられる状態。歯茎が赤く腫れたり出血が起こったりしますが、この段階であれば念入りなブラッシングや歯科医院での適切なプラークコントロール(歯垢を除去してお口の中の環境を正常に保つこと)で、改善できることがほとんどです。

2.歯周炎(中度の歯周病)

歯を支えている骨の半分近くが破壊された状態。歯茎の炎症がすすみ、出血の頻度が増えます。また歯茎が下がった、歯が長くなったと感じることもあるため、冷たいものがしみるように感じます。さらに、口臭がきつくなったり、歯茎から膿が出たり、歯がぐらついて動くなどといった症状を訴える人も少なくありません。この段階にな

3.歯周炎・歯槽膿漏(重度の歯周病)

骨の半分以上が破壊され、歯と歯茎の間の歯周ポケットが深くなり、中に膿が溜まって歯茎が腫れあがるため、歯はグラグラの状態になり、最悪の場合、自然に歯が抜け落ちてしまいます。また進行具合によっては周りの歯に悪影響を与える可能性があるため、抜歯せざるを得ないこともあります。

歯周病の症状・原因|くすりと健康の情報局

歯周病の特徴

歯周病は、以下のような特徴を持ちます。

歯肉の症状

1.歯肉が赤く腫れてきた

歯周ポケットに最近などの感染が起こると身体の防御機構が働いて免疫細胞である白血球やリンパ球等が全身から送られ、結果として浮腫(腫れ)が起こります。そして通常の歯茎の中にある血管の太さでは必要な免疫細胞を十分に送り込めないため、血管は一時的に太くなり血流が増え、歯周病で炎症が起こると血管の壁越しに見える血液の色により歯茎は赤くみえてしまいます。

2.歯肉が下がり、歯が長くなった気がする

歯周病の進行により歯肉退縮が起こり、本来歯は歯茎に埋まっており実際には歯茎の中にも歯の一部が存在しますが、歯肉退縮が起これば歯肉が下がるため、歯茎に隠れていた歯の一部が露出しその分だけ、歯が長くなったように見えます。

3.歯みがきの際に歯茎から出血する

歯周病の炎症があると歯みがき程度の刺激でも出血してしまいます。これは免疫細胞を供給するために拡張し薄くなってしまった血管の壁が歯ブラシ等の機械的な刺激で破れることで起こります。

4.歯肉を押すと血や膿が出る

歯周病により炎症が長期化すると免疫細胞の白血球や周囲の組織の一部死んでしまいます。これが蓄積したものが膿です。

歯の症状

1.歯と歯の間に物が詰まりやすい

歯周病は歯茎の炎症を引き落とし歯茎を退縮させます。また歯周ポケットと呼ばれる歯と歯の溝が深くなり、食べ物が詰まりやすくなります。歯について~⻭の本数と構造~ | 東淀川区の歯医者・上新庄駅すぐ|西谷歯科クリニック

2.歯が浮いたような気がする

歯周病の炎症が進み、発生した膿が歯根膜と歯槽骨の間に溜まると、歯を押し出すような圧力がかかり浮いているような症状が現れます。

3.歯並びが変わった気がする

歯周病が進行すると歯を支える骨(歯槽骨)が弱くなり、その結果歯が動き出し嚙み合わせにズレが生じ、歯並びが変化することがあります。

4.歯が揺れている気がする

歯周病が進行し中程度を過ぎてくると、歯周組織が破壊されます。そのダメージが骨にまで達すると歯の支持が失われ、嚙み合わせの力に耐えれなくなりグラグラ動くようになります。

リスクファクター(危険因子)

歯周病のリスクファクター

局所的なリスクファクター(口腔内の環境など)

プラークを増殖させたり、歯肉の炎症を悪化させたりする要因がリスクファクターとして考えられます。

【歯石】

プラークを放置すると、唾液中のカルシウムなどが沈着して歯石になります。歯石表面には細菌が住み、プラークが増殖しやすいため、歯周病をさらに悪化させる要因になります。

【歯並び】

歯並びが悪いところは歯みがきが不十分になりがちでプラークが増殖して炎症が起こりやすくなります。

【不適合な修復物など】

歯に合っていない修復物(クラウン)、インプラントなどが歯にぴったり合っていないと、菌が繁殖しやすくなります。また自然の歯とかぶせ物、入れ歯の高さがずれていると嚙み合わせが悪くなり、歯に強い力が加わりやすくなり、歯ぎしり、食いしばり同様歯と周りの組織にダメージを与えます。

【口腔習癖】

「口呼吸」や「歯ぎしり・食いしばり」など、日常的に癖になっている悪い習慣のことで、必要以上に強い力が加わると、歯そのものや周りの組織、顎の関節に悪影響を及ぼし、歯周病を悪化させたりします。

・口呼吸
口で呼吸する癖がある場合、口の中が乾燥しプラークがつきやすくなります。
また、歯肉の抵抗力が弱まり炎症がおきやすくなります。
・歯ぎしり
歯周組織は歯ぎしりのような横から加わる力にはきわめて弱いため歯周病が悪化します。

【歯牙接触癖(TCH)】

「気づくと、上下の歯がくっついている」という方も要注意です。本来歯の間には常に隙間が空いているべきで、食事の時を含めて接している時間は1日15分程度です。これより時間が長い方は歯牙接触癖(TCH)といえます。意識していない状態で口を閉じているときは上下の歯はくっついていない状態(安静時空隙)を心がけましょう。

全身的なリスクファクター(生活習慣など)

【喫煙】

様々な健康被害を招く喫煙は歯周病とも深く関わっており、悪化させる大きなリスクファクターです。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させて歯肉の血行不良をひきおこします。さらにタバコには一酸化炭素も含まれていて、口の中の衛生状態の悪化や、歯周組織の酸素欠乏を引き起こします。そのため、歯周組織は栄養不足になり、歯周病細菌に対する抵抗力が低下し歯周病を重症化させます。そのまま喫煙を続けると歯周病治療を行っても効果が出にくく、再発の可能性もあります。

【ストレス】

強いストレスや生活習慣(歯みがき、喫煙、食生活など)が大きく変化したりすることで全身の免疫機能低下につながり、同時に歯の周りの組織の免疫力も弱めます。またストレスを多く感じた時に歯を食いしばる癖がある方は歯や周りの組織に大きな負担をかけ、歯周病を悪化させます。なお、疲労や寝不足も歯の周りの組織の免疫力の低下を招きます。

【食習慣】

甘いもの、やわらかいものを多く食べる習慣は、歯周病の原因であるプラークを増殖させやすくします。また、不規則な食事、栄養の偏りは歯周組織の抵抗力を弱め、全身の健康に悪影響を与えます。

妊娠

妊娠・月経などによるホルモンバランスの乱れが歯肉の腫れを招くことがあります。妊娠初期などは体調の変化が激しく、しっかり歯磨きをすることが難しくなります。妊娠中は歯肉の腫れと歯磨きの難しさから、歯周病を発症、進行しやすくなります。

遺伝

稀に生まれつき、歯周病が進行しやすい遺伝子型を持つ人もいます。

糖尿病などの生活習慣病

糖尿病などの生活習慣病によって全身の免疫力が低下していると歯周病が進行しやすくなります。糖尿病になるとインスリン不足で血のめぐりが悪くなり、全身の免疫力が低下し、お口の中で歯周病原菌が繁殖しやすくなります。また歯周病は糖尿病の合併症の1つにも挙げられています。

全身の健康への影響

糖尿病などの生活習慣病

糖尿病は血糖値を下げるインスリンがうまく働かなかったり、産生量が低下したりすることで発症します。歯周病はインスリンの働きを阻害するため糖尿病のリスク因子といわれています。また糖尿病も歯周病のリスク因子であるため、負の相互作用が働きあっています。

呼吸器疾患・肺炎

歯周病が進行している方のお口の中には多くの歯周病原菌が潜んでいます。その歯周病菌が肺の中に入り込むことで誤嚥性肺炎に繋がります。高齢者は物を飲み込む際の反射(嚥下反射)が衰えてくるため、特に危険性が高いといわれています。

早産や低体重児出産

歯周病にかかっている妊婦は「早産」や「低体重児出産」の危険性が通常より7.5倍高いという報告がされています。歯周病に罹患した歯周組織で産生された炎症性物質が血液を通して、子宮内に移動し子宮内での濃度が上昇することで分娩が早期に促され、早産や低体重児出産に繋がります。

心疾患

歯周病にかかっている人は「冠状動脈疾患」などの心臓血管疾患になる危険性が高いことがわかってきています。歯周病が進行し歯周病原菌が増えると、歯肉の血管を通り血流に乗り、心臓へ移動します。そしてその歯周病菌が心臓の血管壁に炎症を起こすことで動脈硬化を起こし、心筋梗塞や狭心症を発症します。また、歯周病菌が血流に乗り心臓の弁や心内膜に付着し細菌感染を起こす、感染性心内膜炎もあります。

脳血管疾患

歯周病にかかっている人では「脳卒中」などの脳血管疾患になる危険性が高いことがわかってきています。歯周病原菌が出す炎症物質や毒素が歯肉から血管内に入り込み、全身の血管の老化、すなわち「動脈硬化」を進行させます。動脈硬化が進行すると脳梗塞などの脳血管疾患を引き起こします。

関節炎・腎炎

関節炎や糸球体腎炎が発症する原因の1つとして、ウイルスや細菌の感染があります。関節炎や糸球体腎炎の原因となる黄色ブドウ球菌や連鎖球菌の多くは、歯周病原性細菌など口腔内に多く存在します。これらのお口の中の細菌が血液中に入り込んだり、歯周炎によって作り出された炎症物質が血液に入り込むことで、関節炎や、糸球体腎炎を発症することがあります。

メタボリック症候群

メタボリック症候群の状態の人は内臓脂肪が多く、血管の中も脂肪が蓄積し血流が悪くなっています。血流が悪いと血液がドロドロになり、栄養や酸素を全身に運ぶ能力が低下してしまいます。そうすると免疫力も低下し、歯茎の血流も悪化して、歯周病の人は病原菌が血流にのって心臓や全身にまわるためメタボリック症候群の進行を進めてしまいます。

骨粗鬆症

歯周病により歯を失うことで、嚙む能力が低下し、食物の消化吸収力の低下を招きます。その結果、ビタミンDやカルシウム不足、低栄養となり骨粗鬆症の発症や悪化のリスクがあります。

パージャー病等の血管疾患

パージャー病とは血管炎により手足の動脈をつまらせ血行障害を起こし、四肢の末梢血管に閉塞をきたす疾患です。歯周病菌は血栓をつくりやすく、皮膚の内側の細胞に侵入することで歯周病菌がお口の中にとどまらず、身体全体にいくことで最悪の場合、パージャー病等の血管疾患を引き起こすといわれています。

認知症

歯周病菌が体内に侵入し、認知症の原因物質が脳に蓄積し記憶障害がおこる仕組みが明らかになるなど、、認知症との関りも注目を集めています。また歯が抜けている本数が多いほど認知症を発症する傾向もわかっており、歯を失う原因となる歯周病が影響しているともいえるでしょう。

 

消化器系疾患

歯周病によって胃腸などの消化器にも影響が及ぶことが報告されています。これは、歯周病菌が胃潰瘍や胃がんを引き起こすといわれているピロリ菌と共通する様々な抗原を持っているからだといわれており、それが原因で腹痛や下痢、嘔吐など消化器系の器官に症状を出すのだとされています。

 

歯周病 | 長野ひだまり歯科

歯周病のセルフチェックを行ってみましょう。

  • 全体

    • 口臭を指摘された・自分で気になる
    • 朝起きたら口の中がネバネバする
    • 歯みがき後に、毛先に血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある

1つでも当てはまる方は当院に是非お越しください。

当院での歯周病の検査

1.レントゲン検査・資料採得

レントゲン撮影は歯科治療において重要な検査です。全顎広範囲にて撮影が可能なため、同時に顎関節や鼻の骨も映し出されます。また歯の骨の状態を調べ、歯周病の進行度も確認します。

2.歯周組織検査

・ポケット検査

歯の周りの溝の深さを計測し、歯周組織に異常があるか判定します。3mm以下が臨床的には正常値で深いほど嫌気的な環境となり、歯肉縁下プラークや歯周病菌がより多いことを表しています。ポケットの深さが深いほど歯周組織破壊が進行する可能性が高くなっています。

・出血の有無

出血の有無で炎症のある場所の判定を行います。炎症がある場合、ポケット判定により容易に毛細血管が損傷し、出血します。出血がみられた場所は炎症が存在することを意味するもので、歯周病の進行する確率が高く、逆に出血が見られない場所は炎症がなく、病状が安定していることを示します。

・動揺度の測定

歯の揺れの大きさで歯周組織の支持の度合いを判定します。歯の動揺は歯根膜の拡大と歯槽骨の高さに影響を受け、歯周病が進行しているほど、歯の揺れが強くなります。

3.初期治療(歯面清掃、歯石取り)

4.再評価

5.歯周外科治療(必要な場合のみ)

歯を支える骨にまで進行した歯周病に対し、歯周病の原因除去と歯周病の再発防止を目的として外科的な処置を行なう治療です。歯周ポケットが深く、スケーリングやルートプレーニングを行なっても症状が改善できないケースや、歯肉や骨の破壊が著しくブラッシングがしにくいケースなどに対して行ないます。
歯周外科治療には、歯肉を切開して歯石を取り除く処置や歯肉を移植する処置などさまざまな方法がありますが、どの方法が適しているかは歯を支える骨の状態や歯周ポケットの深さ、プラークコントロールの状態などから総合的に診断します。

・フラップ手術(保険適用)

歯周ポケットが深く、スケーリングやルートプレーニングなどの初期治療を行なっても症状が改善しない場合に行なう保険適用の外科処置です。歯肉を切開して歯根面から剥離し、歯周ポケットの奥深くに溜まった歯垢や歯石、感染した組織をきれいに取り除きます。フラップ手術を行なうことで歯周ポケットを改善し、歯垢が再び溜まりにくい環境を作ることが可能です。

・歯周組織再生療法(自由診療)

歯周病の進行によって歯を支える骨まで大きく破壊されてしまったケースに対し、失われた歯肉や骨を再生させる自由診療の治療です。ぐらついた歯を残したい場合や少しでも歯周病を改善して歯を長く機能できるようにしたい方に適しています。歯周組織再生療法医にはさまざまな方法がありますが、当院では、薬剤を患部に塗布することで歯周組織の再生を促す方法を採用しています。

6.メンテナンス

歯周治療後は症状も改善され。普段通りに過ごしていただくことが可能ですがその後の管理次第では再発するケースも稀にあります。そこで重要になってくるのが定期的なメンテナンスです。定期的なメンテナンスにお越しいただくことで、歯と歯周組織の視診、歯周ポケットの検査、歯石除去などのクリーニング、歯みがきの状態の評価や指導を行わせていただきます。お口の中の細菌はクリーニング後、約3か月で増加傾向にあることから3か月毎の定期的なメンテナンスをお勧めしております。

歯周病の予防

歯周病の原因は歯の磨き残しから歯に付着するプラーク(プラークバイオフィルム)と呼ばれるものです。日々その原因が蓄積されますから、歯が生えた時点から注意する必要があります。一般的な歯周病は40歳前後に発症する場合が多いです。

定期的に歯科医院に通うことで、口腔内の状態の改善、個人に応じたブラッシング指導を受けたり歯のクリーニングなどが受けられます。

歯周病の治療は、予防、診断、適切な治療、そして定期的なメンテナンスが重要です。歯周病は予防できる病気であり、現代の歯周治療は進歩しています。正しい歯ブラシの方法、歯垢の取り除き、歯肉や骨の治療、歯科医師による専門的なクリーニングなどが効果的です。

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