セラミック治療後に歯がしみる・痛いのはなぜ?原因と受診の目安

セラミック治療後にしみる・痛い原因と受診の目安|石野歯科医院

この記事のポイント

  • セラミック治療後のしみる症状には、一時的な反応と、追加の診察や治療が必要なものがあります。
  • 噛むと痛い場合は、噛み合わせだけでなく、歯のひびや炎症なども確認します。
  • 神経を取った歯でも、根の周囲や歯ぐきの問題によって痛むことがあります。
  • 強い痛み、悪化する痛み、腫れや発熱がある場合は、次の予約を待たずに連絡してください。
  • しみるからすぐに神経を取る、痛いからすぐに作り直す、というわけではありません。

まず確認したい、受診の目安

セラミックの詰め物や被せ物を入れた後に歯がしみても、必ず治療に問題があるとは限りません。治療による刺激で、一時的に歯が敏感になることがあります。

ただし、痛みの強さや続き方によっては、早めの診察が必要です。まずは次の目安を確認してください。[1・2・3]

症状 対応の目安
冷たいものが触れたときだけ軽くしみ、すぐに治まり、徐々に軽くなっている 一時的な反応の場合もあります。担当医から受けた指示に従い、続く場合や気になる場合は相談してください
噛むと痛い、治療した歯だけ先に当たる感じがある 噛み合わせなどの確認が必要です。無理に噛み続けず、治療を受けた歯科医院へ連絡してください
何もしていなくてもズキズキする、眠れない、日に日に悪化している 次の予約まで待たず、早めに診察を受けてください
歯ぐきや頬が腫れている、膿が出る、発熱を伴う 感染などを確認する必要があります。できるだけ当日中に歯科医院へ連絡してください

口や首の腫れに加えて、息苦しい、飲み込みにくい、話しにくいといった症状がある場合は、通常の予約を待たず、救急医療を利用してください。[4]

この表は受診の目安であり、症状だけで病名を決めるためのものではありません。

セラミック治療後に歯がしみる・痛む主な原因

歯の内部が一時的に敏感になっている

歯の内部には、神経や血管を含む「歯髄」という組織があります。

虫歯を取り除いたり、詰め物・被せ物のために歯の形を整えたりした後に、この組織が刺激を受け、冷たいものなどに反応しやすくなることがあります。[1]

これはセラミックだけに起こるものではなく、歯の治療後にみられることがある反応です。

一方で、もともとの虫歯が深い場合などには、歯の内部に強い炎症があることもあります。治療後にしみるという事実だけで、一時的な反応かどうかを判断することはできません。

詰め物・被せ物の当たり方が関係している

「噛むと痛い」「その歯だけ先に当たる」という場合は、噛み合わせが関係していることがあります。

詰め物や被せ物がほかの歯より強く当たっていると、噛んだときの痛みにつながる場合があります。歯科医院で当たり方を確認し、必要に応じて調整します。[2]

ただし、噛む痛みは、歯のひびや歯の内部・根の周囲の炎症などでも起こります。

「噛むと痛い=高さを削れば必ず治る」とは限りません。 自分で削ったり、慣れるまで強く噛み続けたりせず、原因を確認してもらいましょう。

歯ぐきの変化や、歯の根の露出がある

歯ぐきが下がって歯の根の表面が露出すると、冷たいものや歯ブラシの刺激でしみる場合があります。

歯の内側にある象牙質には細い管があり、表面の保護が失われると、刺激が内部へ伝わりやすくなります。[5]

セラミックを入れた歯がしみるときも、詰め物・被せ物だけでなく、歯ぐきとの境目や周囲の歯を確認することが大切です。

歯や詰め物・被せ物に、別の問題が起きている

治療からしばらく経って新たに痛みが出た場合には、虫歯、歯のひび、詰め物・被せ物の緩みや破損なども考えます。[1・3・5]

セラミック自体は虫歯になりませんが、その下や周囲に残っているご自身の歯は虫歯になることがあります。

「何年も問題なく使えていたから大丈夫」と決めつけず、新しく出てきた症状は相談してください。

何日くらい続く?様子を見てもよいのでしょうか?

治療後の軽い温度刺激によるしみる症状は、数日から数週間かけて落ち着く場合があります。[1・3]

ただし、これは「その期間は受診せずに我慢してよい」という意味ではありません。

大切なのは、何日たったかだけでなく、症状が軽くなっているか、強くなっているか、食事や睡眠に影響しているかです。

歯科医師が状態を確認して経過観察としている場合は、案内された時期に再診します。その途中でも、痛みが強くなる、刺激がなくても痛む、腫れるといった変化があれば、予定を待たずに連絡してください。

また、症状が改善せず続いている場合や、不安が強い場合も相談して構いません。

神経を取った歯なのに痛むことはありますか?

あります。

根管治療で取り除くのは、歯の内部にある神経や血管などの組織です。歯の根の周囲や歯ぐきなど、痛みを感じる組織までなくなるわけではありません。

そのため、根の周囲の炎症や感染、噛み合わせの問題、歯のひびなどによって痛みが出ることがあります。以前の根管治療から時間が経って、再び治療が必要になる場合もあります。[6・7]

「神経を取った歯だから、痛みがあっても問題ない」とは考えないでください。

また、痛みの場所を自分では特定しにくいこともあります。治療した歯だけでなく、隣の歯や周囲の組織も含めて確認します。

しみたら、すぐに神経を取る必要がありますか?

しみるという症状だけで、すぐに神経を取るとは限りません。

歯科医院では、症状が始まった時期、刺激との関係、痛みが続く時間、噛み合わせ、歯や歯ぐきの状態などを確認します。必要に応じて検査やレントゲン撮影を行い、原因を判断します。

原因に応じて、刺激を抑える処置や噛み合わせの調整などで対応する場合があります。一方、歯の内部の炎症や感染に対して、根管治療が必要になる場合もあります。[2・5・8]

「とにかく神経を取る」「何があっても神経を残す」のどちらかに決めつけず、検査結果に基づいて治療方法を考えることが大切です。

当院の診療方針については、虫歯・根管治療を含む一般歯科診療をご覧ください。

セラミックを作り直せば治りますか?

必ずしも、作り直しが必要とは限りません。

噛み合わせの調整などで対応できる場合もあれば、歯や歯ぐきの治療が必要な場合もあります。詰め物・被せ物に問題がある場合は、修理や作り直しを検討します。

痛みの原因が歯の内部や根の周囲にある場合、材料を別のものに替えるだけでは解決しないことがあります。[2・5・7]

まず原因を確認し、どの部分に処置が必要なのかを説明してもらいましょう。

素材や治療方法については、石野歯科医院のセラミック治療でもご案内しています。

受診までの間に気を付けたいこと

痛みが出る刺激を無理に繰り返さない

極端に冷たいもの・熱いものや、硬い食べ物で症状が出る場合は、受診まで無理に刺激を加えないようにしましょう。

「まだ痛むか確認したい」と何度も強く噛んだり、冷水で試したりする必要はありません。食べられる範囲で、負担の少ない食事を選んでください。[4]

歯磨きはやさしく続ける

痛むからといって、周囲の清掃をすべてやめてしまうのは避けましょう。

歯ぐきや歯の表面を強くこすらず、やわらかめの歯ブラシなどでやさしく清掃します。清掃でも強い痛みが出る場合は、そのことを歯科医院へ伝えてください。[4・5]

薬は指示や用法・用量を守る

処方薬がある場合は、処方時の指示に従って使用します。市販の痛み止めを使用する場合も、用法・用量を守り、持病や服用中の薬、アレルギーがある方は歯科医師や薬剤師へ確認してください。

痛み止めで一時的に楽になっても、原因そのものが解決したとは限りません。症状が続く場合は診察が必要です。[4]

歯科医院へ連絡するときに伝えるとよいこと

「セラミックが痛い」だけでなく、次の内容が分かると、受診の必要性や緊急度を確認しやすくなります。

  • いつ治療し、いつから症状が出たか。
  • 冷たいもの・熱いもの・噛んだときなど、何をすると痛むか。
  • 刺激がなくなるとすぐ治まるか、何もしていなくても続くか。
  • 腫れや発熱、睡眠への影響があるか。

神経の治療を受けているか分かる場合や、仮歯・仮の詰め物の段階である場合は、それも伝えてください。

まずは治療を受けた歯科医院へ連絡すると、治療時の状態を踏まえて相談できます。

よくあるご質問

セラミック治療後に歯がしみるのは、何日くらい続きますか?

治療による一時的な刺激で、軽いしみる症状が数日から数週間かけて落ち着く場合があります。ただし、期間だけで正常かどうかは判断できません。強い痛み、悪化する痛み、何もしていなくても続く痛みがある場合は、日数にかかわらず早めに治療を受けた歯科医院へ連絡してください。[1・3]

セラミックを入れてから噛むと痛いのは、噛み合わせが原因ですか?

詰め物や被せ物の当たり方が関係している場合があります。ただし、歯のひびや歯の内部・根の周囲の炎症などでも噛む痛みが出るため、噛み合わせだけが原因とは限りません。歯科医院で確認し、必要な処置を判断します。[1・2]

しみる場合は、歯の神経を取る必要がありますか?

しみるという症状だけで、すぐに神経を取るとは限りません。症状の経過や検査結果を確認し、原因に応じて刺激を抑える処置や噛み合わせの調整などを検討します。一方、歯の内部に強い炎症や感染がある場合は、根管治療が必要になることもあります。[2・5・8]

神経を取った歯でも、セラミック治療後に痛みますか?

神経の治療をした歯でも、根の周囲や歯ぐきなどに炎症があれば痛むことがあります。噛み合わせや歯のひびなどが関係する場合もあります。痛みが続くときは、神経を取った歯だから問題ないと考えず、診察を受けてください。[6・7]

痛い場合は、セラミックを作り直す必要がありますか?

必ず作り直しが必要になるわけではありません。噛み合わせの調整などで対応できる場合もあれば、詰め物・被せ物や歯の治療が必要になる場合もあります。材料を替えることだけで解決するとは限らないため、まず痛みの原因を確認します。[2・5・7]

石野歯科医院では、原因を確認して必要な対応をご説明します

石野歯科医院では、治療した歯だけでなく、噛み合わせや歯ぐき、周囲の歯の状態も確認して診療を行います。

「神経を取らないといけないのでは」「全部作り直しになるのでは」と不安がある場合も、その気持ちをお伝えください。診察で分かったことと、考えられる対応をご説明します。

必要な処置、期間、回数、費用は、痛みの原因や歯の状態によって異なります。自由診療の詰め物・被せ物に関する料金は、石野歯科医院の自由診療料金表でご確認いただけます。ただし、この料金表だけで今回の症状への治療費が決まるわけではありません。

まとめ|治療後だからと我慢せず、症状の変化を伝えましょう

セラミック治療後のしみる・痛む症状には、一時的な反応のほか、噛み合わせや歯・歯ぐきの確認が必要なものがあります。

大切なのは、経過した日数だけで判断せず、痛みの強さ、続き方、悪化の有無を確認することです。

強い痛みや悪化する痛み、腫れなどがある場合は、次の予約を待たずに連絡してください。 原因を確認し、その歯に必要な対応を考えていきましょう。

参考資料

[1]米国歯内療法学会(AAE):歯の痛みと考えられる原因

[2]Cleveland Clinic:詰め物の治療と治療後の注意点

[3]Cleveland Clinic:被せ物の治療と治療後のケア

[4]英国国民保健サービス(NHS):歯の感染・膿瘍と受診の目安

[5]米国歯科医師会(ADA):知覚過敏について

[6]米国歯内療法学会(AAE):根管治療後のケア

[7]米国歯内療法学会(AAE):根管治療をした歯の再治療

[8]米国歯内療法学会(AAE):根管治療とは

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この記事の執筆・監修

石野 貴嗣 院長

石野 貴嗣

石野歯科医院 院長・歯科医師

石野歯科医院の院長。大阪歯科大学卒業。インプラント、マウスピース矯正(インビザライン)、審美歯科を専門とし、患者さま一人ひとりに寄り添った丁寧な治療を心がけています。

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