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コラム

部分矯正について

2024.08.06

部分矯正とは

通常の矯正治療とは異なり、歯並びや噛み合わせなど口腔内全体ではなく、上の歯や下の歯、前歯だけなど特定の部分の歪みを改善するための矯正方法です。部分矯正は短期間で比較的低価格で治すことが可能です!主に前の歯の治療に用いられます。そのため、奥歯の噛み合わせは矯正治療で変わることはありません。

比較

部分矯正の特徴

  • 対象範囲が限定的
  • 治療期間が短い
  • 全体の矯正に比べ価格が抑えられる

などの特徴があげられます。

マウスピース矯正(インビザライン)とワイヤー矯正の違い・総まとめ | 神保町タワー歯科・矯正歯科ブログ

部分矯正は主に以下の方法で行います。

  • マウスピース矯正(インビザライン矯正)

マウスピース矯正は日中常に透明のマウスピースを装着し、歯並びを整える矯正治療方法です。目立ちにくく、患者様ご自身で着脱が可能、且つワイヤー矯正に比べ痛みが少ないのが特徴です。

  • ワイヤー矯正

歯にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かす治療方法です。マウスピース矯正に比べワイヤー矯正は適応症例が多く、歯の動きを細かく調整することができますが、しかし装置が口の中に当たることで違和感や不快感が生じることもあります。ブラケットの種類によっては目立つものもあります。

部分矯正のメリット・デメリット

部分矯正のメリット

痛みが少ない

部分矯正は歯の一部だけを動かすため、歯の全体を動かす全顎矯正と比べて痛みが少ないです。歯を動かす距離も短いため、痛みの度合いも小さくなります。また矯正治療の期間も短いため、全顎矯正と比べて痛みを感じる期間が短くなります。

期間が短い

全体の矯正治療は平均して2~3年ほど治療期間がかかりますが、部分矯正の場合は特定の部分だけを調整する為、比較的短い期間での治療が可能です。

費用の節約

治療対象となる歯が限られている為、全体の矯正と比較するとコストが抑えられることが多いです。

部分矯正のデメリット

再矯正の可能性・後戻りしやすい

あくまで部分的な改善を行っている為、他の歯に問題が生じると再度の矯正が必要になる場合があります。

噛み合わせは調整できない

噛み合わせ | 神戸市の訪問歯科|なかにし歯科ホームケアクリニック

部分矯正は見た目重視のため一部分だけを動かすといった治療法ですが、かみ合わせは歯列全体に関わる問題なので、部分矯正で歯の噛み合わせの調整はできません。もちろん治療を受ける歯科側で、ある程度は噛み合わせにも留意して治療するとは思いますが、一部だけを動かす部分矯正でかみ合わせも調整することは現実的に難しいのです。かみ合わせが悪いと、食事に問題が出たり、頭痛や肩こりの原因になってしまうことがあります。また特定の歯にだけ負荷がかかるようになり、歯を痛める原因にもなります。

歯を動かせる距離や方向に制限がある

部分矯正では歯列全体を動かすわけではないため、歯を動かせる距離に制限があります。小さな距離しか動かせない部分矯正では、歯並びが大きくズレてしまっているような症例には対応できません。また、歯を動かせる方向にも制限があります。部分矯正は治療する歯と対になる歯を動かさないため、歯を動かす方向を制限しなければ、かみ合わせが大きく狂ってしまう可能性があるのです。

矯正の限界

全ての歯の歪みや噛み合わせの問題には対応できないことがあり、対応できる症例が限られています。

部分矯正適応外の症例

  • 歯の重なりがひどい場合(重度の叢生)
  • 受け口、開咬(上下の前歯がかみ合ってない状態)などの様に、骨格に問題がある場合
  • 全体的に出っ歯の場合
  • 奥歯を動かさないとキレイにならない場合

上記のように歯並び自体の問題ではなく、骨格自体の改善が必要な場合は部分矯正が難しいです。

部分矯正が適応される症例

部分矯正を行いながら噛み合わせの調整は難しく、歯を動かせる距離や方向に制限があるため、対応症例が限られます。特に、歯並びが大きくガタガタとしている場合や、歯列だけでなく骨格にも問題があるような場合は、部分矯正での対応は難しいです。主に部分矯正で適応可能なのは以下の症例です。

  • 軽度の叢生(乱杭歯)

犬歯の矯正はどんな時に必要?犬歯の役割と矯正のメリット・デメリット(前編) - 上尾カナデ歯科マウス&ピース矯正歯科(公式)|虫歯•歯周病

叢生(そうせい・乱ぐい歯)とは歯が前後に生えてきている状態のことで、一般的にガチャ歯と呼ばれることが多いです。歯列が綺麗にアーチ状に並ばず、隣の歯と前後で生えてきていることです。重度の叢生は全顎矯正が必要になりますが、八重歯などの軽度の叢生であれば、部分矯正で治療できる場合があります。叢生の原因は顎が小さい、歯が大きい、幼少期の悪癖などがあげられます。

  • 軽度の出っ歯(上顎前突)

出っ歯(上顎前突)のイラスト | 八王子駅前の対話を大切にする歯医者|くろさわ歯科医院

軽度の出っ歯(上顎前突)は上の前歯が下の前歯よりも大きく前に出ている状態です。顎の骨格そのものが前に出っぱっているような場合や、隣の歯との間の段差が非常に大きい場合などは、部分矯正で治療を行っても満足のいく結果にならないことが多いです。当院では矯正を検討される患者さまにはセファロというレントゲンで骨格のレントゲンを撮影します。出っ歯の原因は遺伝や顎のバランス、指しゃぶりや口呼吸などの習慣があげられます。

  • すきっ歯(空隙歯列)

不正咬合(叢生)【歯科素材.com】歯医者さん向け無料イラスト

歯と歯の間に隙間がある状態を指します。生まれつき歯が小さかったり歯が少ない、頬杖・舌で歯を押す癖がある、歯周病などの原因によりすきっ歯(空隙歯列)になることがあります。

その他、前歯1本だけなど軽微な矯正が主な部分矯正の適応症例になります。

部分矯正治療(インビザライン矯正)の流れ

Ⅰ.カウンセリング

みどり美容クリニックへのカウンセリング予約 | 女性器(デリケートゾーン)治療機器解説サイト|みどり美容クリニック・広尾監修

お悩みをお話しいただき、お口の中の状態を診させていただいた上で、患者様にあった治療方法やおおよその治療期間など矯正治療のプランをご提案させていただきます。当院では矯正無料相談を行っているため、全体の矯正相談や部分矯正など歯並びに関するお悩みございましたらお気軽にご相談ください。

Ⅱ.レントゲン撮影

プロフィログラム

矯正で安全に歯を動かすためには、口腔内の写真に加え、歯を支える骨や歯の根っこの状態の確認が必要な為、二次元的なレントゲンや三次元的なレントゲンを撮影し、精密検査を行います。また本格的にスタートされる場合はその後¨セファロ¨というレントゲンにて骨格診断も行います。セファロを撮ることで、「上下顎の大きさとそのズレ」、「顎の形」、「歯の傾斜角」、「口元のバランス」などについて判ることができます。

Ⅲ.口腔内スキャン・口腔内写真撮影

iTero(アイテロ)による3D技術を駆使した歯型採取 – 四条室町歯科 インプラント・マウスピース矯正治療

シミュレーションを作成するにあたり、専用のアプリで患者さまの口腔内の撮影やお顔の撮影、またデジタルで正確に歯の型取りができる最新の機械¨iTero¨で口腔内をスキャン(型取り)していきます。このように治療前の歯並びを記録しておくことで、矯正開始後も定期的にスキャンを行っていき、治療前との歯並びを比較できるため、より変化をご実感いただけます。

Ⅳ.シミュレーション作成

レントゲン撮影や口腔内スキャンのデータをもとに患者様の口腔内全体を分析し、最新のシミュレーションによる治療計画をお作りします。改めてシミュレーションができあがりましたらご来院いただき、具体的にどのように歯を動かしていくのか、プランも併せて詳しくご説明いたします。

Ⅴ.マウスピース発注

患者様にシミュレーションを見ていただき、いよいよマウスピースを発注します。

Ⅵ.インビザライン矯正 スタート!

発注から数週間後アメリカからインビザライン矯正のマウスピースが届きましたら、患者様に来院していただき本格的に治療が始まります。当日患者様に届いたマウスピースとインビザラインの装着スケジュール表をお渡ししますので、2枚目以降からは患者さまご自身で1週間毎に交換してお使いいただき、定期的に来院していただいてマウスピースのチェックを行います。インビザライン矯正スタート当日はIPRやアタッチメント装着など必要な処置をします。

IPR

矯正治療におけるIPRについて | 福岡天神矯正歯科

歯をきれいに並べるスペースを確保するため、歯と歯の間に0.1mm単位の隙間をつくっていきます。歯は3つの層でできておりそのIPRでは、その一番表面側の「エナメル質」という層だけを、少しずつ削っていきます。削るのはごく少量のため痛みを伴うこともありません。IPRはすべての症例に行うのではなく、歯が前後に重なっている叢生や出っ歯などで行うことが多いです。

アタッチメント装着

アタッチメントについて【インビザライン矯正の処置】 – 北戸田の歯医者|北戸田COCO歯科

アタッチメントとは、インビザライン矯正の際に歯の表面に付ける白い装置です。アタッチメントの役割はマウスピースが浮かないよう固定する役割と歯を3次元的に動かす力を加えてしっかりと、動かしたい方向に正確に動かすための役割と大きく分けて2つあります。歯の色に近い白い材料でできているため、歯の表面につけても馴染んで目立ちにくいです。しかしマウスピースを取り外しする際や食事の際など外れるリスクもあります。

実際の症例

当院で実際に部分矯正された患者様の症例です。

こちらの患者様は下の歯の前歯のガタつきが気になるとのことで、来院されインビザライン矯正(マウスピース矯正)による部分矯正をされました。

当初の画像と比較すると、インビザライン矯正による部分矯正をはじめ、4ヶ月後には前歯のガタつきはなくなり、5ヶ月後にはアタッチメントも完全にはずれ部分矯正を終えられました。部分矯正終了後には後戻り予防のため保定用のマウスピースを使用していただき、再矯正にならないようにします。

矯正終了後おおよそ2年間はリテーナー(保定装置)の着用が推奨されています。矯正治療が終わって間もないうちは、歯を支えている歯槽骨が新しい位置でまだ安定していないこともあり、特に歯が動きやすいからです。インビザライン矯正は日中、睡眠時間合わせ22時間以上の装着が理想とされていますが、リテーナーも1日20時間以上の装着が推奨されています。

最後に

部分矯正はメリットも多いですが適応症例が限られます。当院では口腔内全体の矯正や、部分矯正のインビザライン矯正を行っております。歯並びが悪いと清掃性が悪く、汚れが溜まりやすいです。そのため歯垢や歯石が知らずのうちに溜まっていき、歯周病につながります。また歯並びが悪い方は噛み合わせにも影響を及ぼし歯ぎしりや食いしばりから歯周病を悪化させる要因にもなりかねません。

前歯の¨ここだけ¨が気になるなど、歯並びでお悩みの方、当院では矯正無料相談を承っておりますのでお気軽にご相談ください。

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