子どものマウスピース矯正は何歳から?エンジェルアライナーKIDを解説

子どものマウスピース矯正・エンジェルアライナーKID|石野歯科医院

この記事のポイント

  • 子どものマウスピース矯正は、歯の生え替わりや成長を確認しながら行う治療です。
  • 石野歯科医院では、子どものマウスピース矯正に主にエンジェルアライナーKIDを使用しています。
  • 開始時期は年齢だけでは決まらず、経過を見守るほうがよい場合もあります。
  • 治療を続けるには、お子さま本人の協力と保護者の方による装着・清掃のサポートが必要です。
  • 子どものうちに治療しても、将来の抜歯や2期治療が不要になるとは限りません。

子どものマウスピース矯正とは?

子どものマウスピース矯正は、取り外しができる透明な装置を使い、歯並びや噛み合わせの改善を目指す治療です。

大人と異なるのは、歯が生え替わり、顎も成長している途中だということです。そのため、現在の前歯の見た目だけでなく、これから生える永久歯や、噛み合わせの変化も確認して治療を計画します。[1・2]

石野歯科医院では、子どものマウスピース矯正に、現在、主に「エンジェルアライナーKID」を使用しています。

ただし、すべてのお子さまに同じ装置を使用するわけではありません。歯並びの状態と治療の目的に応じて、適した方法を検討します。

エンジェルアライナーKIDは、どのような装置ですか?

エンジェルアライナーKIDは、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」の子どもを対象に設計されたマウスピース型の矯正システムです。

お子さまごとの治療計画に合わせて装置を作製し、段階的に交換して歯を動かします。歯が生え替わる時期のお口の状態を考慮して治療を進めます。[1]

透明で目立ちにくく、食事や歯磨きのときに取り外せることが特徴です。一方で、外している時間が長いと計画どおりに進まないことがあるため、毎日の装着管理が必要になります。

「取り外せるから手間がかからない」というわけではなく、お子さまと保護者の方の協力が大切な治療です。

何歳から相談すればよいのでしょうか?

メーカーは、エンジェルアライナーKIDの対象を6歳頃からの混合歯列期としています。ただし、6歳になったら全員が治療を始める、という意味ではありません。[1]

開始時期を考えるときには、乳歯がどれくらい残っているか、永久歯がどの位置に生えてきているか、上下の噛み合わせはどうかなどを確認します。

さらに、お子さまが装置の着脱を覚え、毎日の装着を続けられるかも大切です。

相談する時期と、治療を始める時期は同じとは限りません。

診察の結果、今から治療を行う場合もあれば、定期的に生え替わりを確認しながら待つ場合もあります。歯並びが気になる場合は、すべての永久歯が生えそろうまで相談を待つ必要はありません。[2・3]

どのような歯並びで相談するとよいですか?

例えば、次のような状態が気になる場合は、一度確認してもらいましょう。

気になること 診察で確認すること
永久歯が重なって生えてきた 歯を並べる場所と、生える方向
上下の歯の噛み合わせが一部逆になっている 歯の位置や、噛むときの顎のずれ
前歯が大きく出ている 歯の傾きと、上下の顎の関係
奥歯を噛んでも前歯が閉じない 歯の位置、骨格、舌などの習慣
歯の生え替わり方が気になる 永久歯の位置や、生えるための場所

この表に当てはまるからといって、必ずKIDで治療するわけではありません。今治療が必要か、どの装置が適しているかを判断するための相談の目安です。[2・3]

子どもの時期の矯正では、何を目指しますか?

乳歯が残る時期の矯正は、一般に「1期治療」と呼ばれます。

状態に応じて、永久歯が生える場所を確保したり、歯の位置や噛み合わせを調整したりすることを目指します。見えている前歯を整えることだけが目的ではありません。[3]

「歯列を広げる」と「顎の骨を自由に広げる」は同じではありません

歯が並ぶ場所を確保するため、歯列の幅や歯の位置を調整することがあります。

ただし、マウスピースを着ければ顎の骨をどこまでも広げられるわけではありません。骨格の問題や、必要な変化の大きさによっては、別の装置や治療方法を検討します。

治療前には、「今どの問題を改善するのか」「今回の治療では対応しきれないことは何か」を確認しましょう。

将来の抜歯や2期治療が不要になるとは限りません

1期治療を行うことで、その後の歯の生え替わりや治療に備えられる場合があります。

一方で、永久歯が生えそろった後に、歯並びや噛み合わせをさらに整える「2期治療」が必要になる場合もあります。

「子どものうちに治療すれば、将来は必ず抜歯せずに済む」「今回だけですべての矯正が終わる」とは言えません。

1期治療の後も成長を確認し、その時点のお口の状態に合わせて次の方針を考えます。[2・3]

装着時間は?学校にいる間も使いますか?

エンジェルアライナーKIDのメーカーは、1日20〜22時間の装着を推奨しています。夜だけ装着する治療ではなく、基本的には日中も使用します。[1]

給食や歯磨きの際には取り外し、歯と装置を清潔にしてから着け直します。

装置を交換する間隔についても、メーカーは1〜2週間を目安としていますが、実際には担当の歯科医師の指示を優先してください。装着時間が不足しているのに、日付だけで次の装置へ進むことは避けましょう。

学校で続けられるか不安がある場合は、始める前に相談することが大切です。

保護者の方にお願いしたいサポート

お子さまだけに管理を任せず、毎日続けられる方法を一緒に考えましょう。

給食のときに外す、名前を付けたケースへ保管する、食後に清掃して着け直す、といった流れを、まずはご家庭で練習する方法があります。

学校での清掃や保管に配慮が必要な場合は、学校のルールも確認しておくと取り組みやすくなります。

「できていないことを叱る」だけではなく、どこで困っているのかを確認し、続け方を相談してください。

歯が抜けた・装置が合わないときはどうしますか?

子どもの治療中は、乳歯が抜けたり、新しい永久歯が生えてきたりします。

そのため、装置の適合だけでなく、生え替わりの状況も定期的に確認する必要があります。

装置が入らない、大きく浮く、歯ぐきに強く当たるといった場合は、無理に使用を続けず、治療を受けている歯科医院へ連絡してください。紛失や破損の場合も同様です。

自己判断で装置を切ったり削ったり、先の番号へ進めたりせず、現在の状態に合った指示を受けましょう。

治療はどのように進みますか?

相談・検査

歯並びについてのご希望や心配事を伺い、歯の生え替わり、噛み合わせ、虫歯や歯ぐきの状態などを確認します。

必要なレントゲン、写真、歯型やスキャンなどの情報をもとに、治療の必要性と方法を判断します。すべてのお子さまに同じ検査を一律に行うのではなく、診断に必要な内容を選びます。[2]

治療計画の説明

今回の治療で目指すこと、装着方法、期間や費用の見通し、リスクなどをご説明します。

歯の動きのシミュレーションを用いる場合も、画面どおりの結果を保証するものではありません。実際の成長や歯の動きを確認しながら進めます。

装置の使用と経過確認

装置の着脱や清掃方法を確認し、使用を始めます。

治療計画によっては、歯の表面に付ける小さな突起や、噛み合わせを調整するための補助装置などを併用することがあります。必要な処置は、お子さまによって異なります。[1]

通院では装置の適合、歯の動き、生え替わり、虫歯や歯ぐきの状態を確認します。

治療後の管理・成長の確認

歯を動かす段階が終わった後も、必要に応じて歯の位置を維持する管理を行い、永久歯の生え方や噛み合わせを確認します。

一度装置を使い終わったら、成長の確認まで不要になるわけではありません。2期治療が必要かどうかも、経過を見ながら判断します。[3]

口が開いている・舌の癖がある場合は?

普段から口が開いている、舌で歯を押す癖があるなどの場合は、歯並びと併せてお口の使い方も確認します。

ただし、マウスピースを着けるだけで、口呼吸や舌の癖などがすべて改善するわけではありません。

お口の機能を育てる指導やトレーニングと、歯を動かす矯正治療は、目的が異なります。問題の原因を確認し、必要な対応を考えることが大切です。[4]

当院では、治療の目的に応じて、プレオルソなどの小児矯正装置も検討します。KIDと同じ装置ではないため、使い方や装着時間を自己判断で同じにしないでください。

痛みやリスクはありますか?

子ども用の透明な装置でも、痛みや違和感がまったくないわけではありません。歯が押される感覚や、装置が頬・歯ぐきに当たることがあります。

矯正治療では、次のような点にも注意が必要です。

  • 清掃が不十分なことによる虫歯や歯ぐきの炎症。
  • 歯の根が短くなる歯根吸収や、歯ぐきが下がる歯肉退縮。
  • 計画どおりに進まず、追加の装置や治療方法の変更が必要になること。
  • 治療期間が延びることや、治療後に歯の位置が戻ること。[5]

リスクの程度は、歯や歯ぐきの状態、必要な歯の動きなどによって異なります。気になる症状があるときは、我慢せずご相談ください。

治療期間と費用について

子どものマウスピース矯正では、歯を動かす期間だけでなく、その後の生え替わりや成長を確認する期間も考える必要があります。

治療前には、今回の治療がどこまでを対象とするのか、追加の装置や2期治療が必要になった場合にどうなるのかをご説明します。

当院で行うエンジェルアライナーKIDによる矯正は自由診療です。

【公開前に確定:KIDの治療費・税込金額】 【公開前に確定:検査料、管理料、保定装置、追加装置などの別途費用】 【公開前に確定:標準的な治療期間と通院回数】 【公開前に確定:2期治療に進む場合の費用の扱い】

装置の料金だけでなく、治療全体で何が含まれるかを確認したうえで、治療を検討しましょう。

よくあるご質問

子どものマウスピース矯正は何歳から始められますか?

エンジェルアライナーKIDは、乳歯と永久歯が混在する時期に使うことを想定した装置で、メーカーは6歳頃からを目安としています。ただし、開始時期は年齢だけでなく、歯の生え替わりや噛み合わせ、装着を続けられるかを確認して判断します。

学校にいる間もマウスピースを着ける必要がありますか?

メーカーの推奨装着時間は1日20〜22時間のため、基本的には日中も装着します。給食の際は外し、歯と装置を清潔にしてから着け直します。学校での取り扱いは、お子さまや保護者の方と相談して準備します。

マウスピース矯正で顎を広げられますか?

状態によって、歯が並ぶ場所を確保するために歯列の幅や歯の位置を調整することがあります。ただし、顎の骨をどこまでも広げられるわけではありません。骨格の問題や必要な変化によって、ほかの装置を検討することもあります。

子どものうちに矯正すれば、将来は歯を抜かずに済みますか?

歯が並ぶ場所や噛み合わせを整えることで、将来の治療に備えられる場合があります。ただし、抜歯が不要になることを保証するものではありません。今後の歯の生え方や顎の成長などにより、抜歯を含む治療が必要になる場合もあります。

1期治療だけで矯正が終わることはありますか?

治療の目標と、その後の歯の生え替わりや噛み合わせによって異なります。1期治療の後は成長を確認し、必要に応じて永久歯が生えそろってから2期治療を行います。追加の矯正が不要になるとは限りません。

石野歯科医院の子どものマウスピース矯正

石野歯科医院では、現在、子どものマウスピース矯正に主にエンジェルアライナーKIDを使用しています。

装置を使うこと自体を目的とせず、今治療する必要があるのか、成長を見守るほうがよいのか、お子さまの状態に合わせて考えます。

保護者の方だけでなく、お子さま本人の気持ちも確認し、学校生活やご家庭で無理なく管理できる方法を相談しながら進めます。

歯並びの相談と併せた虫歯予防やお口の管理については、石野歯科医院の小児歯科・小児矯正をご覧ください。

まとめ|年齢や装置名だけでなく、お子さまの成長に合わせて考えましょう

子どものマウスピース矯正は、歯の生え替わりや成長を確認しながら、歯並びや噛み合わせの改善を目指す治療の一つです。

エンジェルアライナーKIDもその選択肢ですが、すべてのお子さまに適しているわけではありません。開始時期、治療の目標、毎日の装着管理、その後の成長の確認まで含めて考えることが大切です。

「永久歯の生え方が気になる」「今から矯正したほうがよいか知りたい」という場合は、診察時にご相談ください。お子さまの状態を確認し、治療の必要性と選択肢をご説明します。

参考資料

[1]エンジェルアライナー公式:エンジェルアライナー KiD

[2]日本小児歯科学会:子どもたちの歯並び・かみ合わせの治療に関するQ&A

[3]米国矯正歯科学会:1期・2期治療について

[4]日本小児歯科学会:口腔機能を育てる治療と矯正治療との関係について

[5]Leeds Teaching Hospitals NHS Trust:矯正治療のメリットとリスク

お口のお悩みは石野歯科医院へ

お口に関するお悩みなどございましたら、天王寺区の歯医者・石野歯科医院へお気軽にご相談ください。四天王寺前夕陽ヶ丘駅から徒歩5分、谷町九丁目駅から徒歩7分、上本町・天王寺からも通いやすい立地です。

アクセス・診療時間を見る

この記事の執筆・監修

石野 貴嗣 院長

石野 貴嗣

石野歯科医院 院長・歯科医師

石野歯科医院の院長。大阪歯科大学卒業。インプラント、マウスピース矯正(インビザライン)、審美歯科を専門とし、患者さま一人ひとりに寄り添った丁寧な治療を心がけています。

院長紹介ページを見る